どこにでもいるような普通の一般人が、たまに自分用メモを書いてる。

iCop EBOX-3310A-JSK

日付:

ある意味シンクライアントのような、用途を限った極小 PC といった感じの EBOX。

  • iCop EBOX-3310A-JSK
  • CPU : DM&P Vortex86DX 1GHz
  • メモリ : DDR2 512MB オンボード
  • ストレージ : なし

Vortex86 というマイナー CPU 搭載機を使ってみたくてヤフオクで購入。
売り手は結構な数を所有しているようで、落札履歴を見るといくつも出てくる。


消費電力の小ささが特徴的で、ワットチェッカーで見る限り 10W。昨今のスティック PC ならもっと小さいが、発売時期を考えればかなりのものと言うべきだろう。
比例してというか処理能力はやはり低く、同じ 1GHz でも Via Nano U3500 より体感的に遅い印象。
CrystalMark の数字を見ても、同クロックの VIA C3 に ALU でやや劣り FPU は半分以下といったところ。VIA 同士でも C3 と Nano では同クロックで性能差があるので、Nano より遅いと感じたのは間違いではなかったようだ。
Atom 230 1.6GHz と比べると ALU は 1/4 以下、FPU は 1/8 以下というスコアで、色々パワー不足は推して知るべし、いや、体感できる。
金属筐体で天板がヒートシンクなので、ファンレスでも冷却能力は安心できそうだ。

メーカーサイトでは 600MHz と書かれているが、実際 1GHz で動いている。
メモリはオンボードで増設できないので、512MB を前提にソフトウェア面を考えることになる。


ストレージのインターフェイスとしては44ピン IDE ポート (オス) があり、さらに CompactFlash、microSD(HC) のスロットがある。
メーカーサイトの記述ではあくまで「IDE DOM support」なので、本来は IDE DOM (Horizontal) を使うべきなんだろう。
DOM ではない普通の IDE ストレージデバイスを使うには、メスメスケーブルが必要。筐体内のスペースが狭いので、長い方より短い方が向いていると思われる。
ヤフオクの出品ページでは「2.5インチストレージ内蔵可能」と書かれていたが、内蔵はかなり厳しいと思われる。一応2.5インチ HDD を固定するためのネジ穴はついているのだが、シリアルポートへの配線がものすごく圧迫される上に、基板の IDE 端子と HDD の IDE 端子の位置が左右にずれているので、長い方をたたんでどうにかという感じ。高さ 7mm ならなんとかなりそうだが、9.5mm ではまず無理。
mSATA-IDE 変換基板 (half slim) で mSATA SSD を使えることは確認した。
CF、microSD ともに挿入したカードは IDE HDD として認識されブートも可能なので、カードが余っていればその方が手っ取り早い。


Vortex86DX CPU は i586 互換だが i686 非互換で、OS の選択肢は結構限られてくる。
普段使っている Debian は stretch 以降で i686 を要求するため NG。Alpine も同様。64bit はもちろん非対応なので Arch 等も当然 NG。
Debian jessie、Gentoo は動作するが、jessie はすでに oldstable で2020年6月に LTS も終了するため先がなく、Gentoo はインストール時にカーネルビルドがあって CPU パワーの低いマシンにはあまり向かない。
FreeBSD は安定動作したので、これを採用。


(2018/06/29 追記)

FreeBSD 11.2-RELEASE が出たので freebsd-update upgrade -r 11.2-RELEASE したのだが、時間かかりすぎてつらい。晩飯後に実行したけど全然終わらないので途中で寝た。


(2020/03/12 追記)

Debian jessie でベンチマークをとってみた。VPS でよく使っている nench.sh

CPU: SHA256-hashing 500 MB
    62.445 seconds
CPU: bzip2-compressing 500 MB
    225.286 seconds
CPU: AES-encrypting 500 MB
    110.420 seconds

かなり遅い。特に bzip2 は AMD Geode LX 800 (500MHz) よりも所要時間が長い。

comments powered by Disqus